2016年5月13日
課題図書:「オセロー」ウィリアム・シェイクスピア
イギリス出身の劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564年~1616年)。
彼が亡くなって、今年で400年。
阿刀田高さんの本によると、生年と没年を「ヒ・ト・ゴ・ロ・シ・イ・ロ・イ・ロ」と
覚えるといいんだそう。
本好きならば、必ず読んでおきたいシェイクスピア。
赤メガネの会の開催が、100回を越えているにもかかわらず、
これまで課題図書になっていなかったというのには、驚きです。
いや、驚くというより、ちょっと恥ずかしいことなのかもしれません。
慌てて、節目の年にあたる今年こそみんなで読んでおこうと、
今回の課題図書にピックアップ。
数ある作品の中から多数決で選ばれたのは、
“四大悲劇”のひとつ「オセロー」。
セリフだけで構成された戯曲は、いつもとテイストが違うものでしたが、
特に拒絶反応が出ることもなく、参加者全員が読了。
しかし、物語として楽しめた人と、そうでなかった人に意見が二分されました。
“悲劇”だと思っていたのに、こんな“喜劇”見たことない!という人まで?!
世界的に有名な作品ゆえ、期待値が大きく、読後さまざまな感想がありました。
最大のポイントとなったのは、この物語の“悲劇”はなんだったのか?という事。
シェイクスピア好きの方は、
オセローがムーア人だったことが、最大の悲劇。と考えている人も多いかもしれません。
ムーア人でなければ、この悲劇が起こらなかったのか否か。
それについても沢山の意見が交わされたのですが、赤メガネのメンバーは
人間の「嫉妬心」を悲劇と捉えた人が多かったのが、印象的でした。
人の心はもろく、確たる証拠がなくとも、嫉妬という悪魔が心に巣食うことで
本来なら起こらなかったすれ違いに、悲劇性を感じたのかもしれません。
戯曲をちゃんと理解するには、やはり舞台も観ておきたいもの。
過去に多くの演出家が「オセロー」を手がけてきましたが、
それぞれの演出を見比べて、マイ・ベスト・オセローを探すのも楽しそうですね!
あっ、そういえば、
四大悲劇のひとつ「マクベス」が映画になって只今上映中。
本だけでなく、舞台や映画もおさえておきたいところです。
没後400年ということで、シェイクスピアの作品を課題図書にしましたが、
1616年に亡くなった大作家がもうひとりいます。
「ドン・キホーテ」の生みの親であるセルバンテス。
読書会では未読な人も多く、ノルウェー・ブック・クラブ「世界最高の小説100冊」にも
選ばれてる本ですし、もしかしたら、今年中に課題図書に選ばれるかもしれません♪
けれど、岩波文庫版だと全部で6冊?!
3週間で、読めますかどうか・・・